介護タクシー車内で吸引器を使用する際の注意点

吸引器

介護タクシー車内で同乗の看護師が吸引器を使用する際の注意事項は、安全かつ円滑なサービス提供のために非常に重要です。以下の点を考慮して、事前にしっかりと確認・準備を行いましょう。

1. 事前準備・確認

  • 利用者の状態確認:

    • 吸引が必要な理由、頻度、吸引量、過去のトラブルなどを事前に確認します。

    • 利用者の体調や既往歴、アレルギーなどを把握し、緊急時の対応に備えます。

  • 看護師との連携:

    • 看護師の氏名、連絡先、資格、経験などを確認します。

    • 吸引の手順、吸引器の操作方法、緊急時の対応などを事前に打ち合わせます。

    • 吸引時の体位、吸引圧、吸引時間など、具体的な指示を受けます。

  • 吸引器の準備:

    • 吸引器の種類、型番、メーカーなどを確認します。

    • 吸引器が正常に作動するか、バッテリー残量、吸引チューブの状態などを確認します。

    • 予備の吸引チューブ、吸引ボトル、消毒液などを準備します。

    • 電源の確保方法(シガーソケット、ポータブル電源など)を確認します。

  • 車両の準備:

    • 車内の換気を十分に行います。

    • 吸引しやすいように、利用者の体位を保持できるクッションやタオルなどを準備します。

    • 感染予防のために、使い捨て手袋、マスク、エプロンなどを準備します。

    • 使用済み吸引チューブや吸引ボトルを廃棄するためのゴミ袋を準備します。

    • 緊急時に備え、救急セット(消毒液、ガーゼ、絆創膏など)を準備します。

  • 運行ルートの確認:

    • 吸引が必要になった場合に、安全に停車できる場所を確認しておきます。

    • 緊急時に搬送できる医療機関の場所と連絡先を確認しておきます。

  • 保険の確認:

    • 介護タクシーの保険が、吸引中の事故やトラブルに対応できるか確認します。 * 看護師の医療過誤保険の加入状況を確認します。

2. 運行中の注意点

  • 安全運転:

    • 吸引中は、揺れや振動を最小限に抑えるように、安全運転を心がけます。

    • 急ブレーキや急発進は避けます。

    • 道路状況に注意し、安全な速度で走行します。

  • 吸引中の観察:

    • 吸引中は、利用者の表情、呼吸状態、SpO2などを注意深く観察します。

    • 異常が見られた場合は、直ちに吸引を中止し、看護師に報告します。

  • 感染予防:

    • 吸引時は、必ず使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用します。

    • 吸引後は、速やかに手指消毒を行います。

    • 使用済み吸引チューブや吸引ボトルは、適切に廃棄します。

    • 車内を清潔に保ち、定期的に換気を行います。

  • プライバシーの保護:

    • 吸引中の様子が見えないように、カーテンや仕切りなどを利用します。

    • 吸引に関する情報は、利用者や看護師の許可なく、第三者に漏洩しないように注意します。

  • 記録:

    • 吸引日時、吸引量、吸引時の状況、利用者の状態などを記録しておきます。

    • 記録は、利用者や看護師と共有し、情報共有に役立てます。

    • 吸引中に容態が急変した場合、直ちに救急車を要請します。

    • 看護師の指示に従い、適切な応急処置を行います。

    • 搬送先の医療機関に、利用者の状態を正確に伝えます。

3. その他

  • 法令遵守:

    • 介護タクシー事業に関する法令を遵守します。

    • 医療行為に関する法令を遵守します。

  • 利用者・家族への説明:

    • 吸引サービスの内容、料金、注意事項などを、事前に利用者や家族に説明し、同意を得ます。

  • 苦情対応:

    • サービスに関する苦情や要望があった場合は、真摯に対応し、改善に努めます。

  • 研修:

    • 介護タクシー運転手は、吸引に関する知識や技術を習得するための研修を受講することが望ましいです。

    • 定期的に研修を行い、知識や技術の向上に努めます。

特に重要な点

  • 看護師との密な連携: 吸引は医療行為であり、看護師の指示のもとで行うことが原則です。

  • 感染予防の徹底: 利用者だけでなく、運転手自身の感染リスクも考慮し、適切な感染予防策を講じましょう。

  • 緊急時の対応: 万が一の事態に備え、救急連絡先や搬送手順などを事前に確認しておきましょう。

これらの注意事項を参考に、安全で安心な介護タクシーサービスを提供してください。必要に応じて、地域の医師会や介護関連団体に相談し、アドバイスを受けることも有効です。